偶発症例調査

偶発症例調査について

偶発症例調査とは何か、目的は何かのご説明です。

偶発症例調査とは?

 生命は極めて複雑なシステムと反応で営まれています。生命はまた様々な調節機能にコントロールされることによって、良好な状態に維持されます。
 麻酔状態とは、この調節機能を人為的にコントロールした状態といえます。麻酔は手術という治療行為の一環であり、麻酔なくしては患者様にとって安全で快適な手術はできませんが、様々なリスクがひそんでいます。それは、手術にともなう出血に加え、麻酔薬や麻酔に関連する薬剤を投与することや種々の麻酔手技が、生命維持の基本システムを脅かすことになるからです。さらに、周術期といわれる手術前・術中・術後には人体の調節機能が壊れる可能性が高くなります。 (公社)日本麻酔科学会では、偶発症例(肺塞栓)ワーキンググループ(旧麻酔関連偶発症例調査専門部会)が中心となり麻酔科認定病院の麻酔科が管理した管理症例を対象として、1992年より10余年に渡って、年次別の「麻酔関連偶発症例調査」を行っています。麻酔関連偶発症例とは、「原因の如何を問わず、麻酔がかかっている状況下で生命危機状態となった症例」を指すものです。
 麻酔中に患者様の生命が危機的状態にさらされてしまった症例そのものを検証し、結果的に何が原因であったのかを特定した上で、再発防止策やガイドラインなどを作成することが目的となります。 また、麻酔科認定病院を調査対象とする理由は、日本麻酔科学会が適正かつ安全な麻酔関連業務を遂行し得る施設であると認めた病院を、つまりわが国の麻酔の水準が高い病院を対象に危機的症例の調査をすることによって、学会で予防対策をたて、これらの病院に指導し、模範的対策を発信することができるからです。 そのためには、できるだけ多くの症例を収集し、安定した信頼性の高いデータベースを構築する必要があります。麻酔科認定病院約1,116施設からの最近の回答率は67%で、データベースの母集団は年間97万症例に達しています。このような大規模調査は世界でも類を見ないものであり、貴重な資料が集積されつつあります。


偶発症例調査 調査項目,手術部位分類およびFAQ

安全委員会
偶発症例(肺塞栓)WG

 平素より偶発症例調査にご協力いただきありがとうございます.偶発症例調査2016は昨年12月に麻酔科認定病院宛に調査依頼をお送りし,すでに多くの御施設からご返信をいただきました.まずはご協力いただいた御施設の皆様に心より御礼申し上げます.調査に際し,特に手術部位分類に関して多くのお問い合わせをいただいておりますため,お寄せいただきました代表的なご質問およびその回答を以下にお示しいたします.今後の調査の参考としていただければ幸いでございます.
 偶発症例調査2016の提出締め切りは2017年3月31日でございます.多くのご施設にご協力をいただけますよう,何卒よろしくお願いいたします.

調査2016用調査用紙記入分類表

手術部位分類


手術部位分類に関するFAQ
Q1:非内視鏡下の鼠径ヘルニア根治術や非内視鏡下の腹壁ヘルニア根治術はどの分類になりますか
Q2:小腸手術の分類はすべて下腹部内臓となるのでしょうか
Q3:人工肛門造設手術はどの分類にすべきですか
Q4:麻酔導入時に生じたアナフィラキシーショックはどちらに分類すべきですか
Q5:膝窩動脈血栓症での血栓除去術はどちらに分類すべきですか

Q1:非内視鏡下の鼠径ヘルニア根治術非内視鏡下の腹壁ヘルニア根治術はどの分類になりますか.
A:腹腔内臓器の操作は入らず,皮膚・筋肉・膜が操作対象なので,基本的には胸壁腹壁会陰となります.但し,腹腔内臓器が陥頓しているヘルニア手術で,臓器操作が入る場合などは下記の分類が適当となります.
 ・非内視鏡下の鼠径ヘルニア根治術・・・下腹部内臓 非内視鏡手術
・非内視鏡下の腹壁ヘルニア根治術・・・上腹部内臓 非内視鏡手術
 最終的にはどの外科手術を主と考えるか,現場のご判断で部位をご判断ください.

Q2:小腸手術の分類はすべて下腹部内臓となるのでしょうか.
A:分類の目安として「下腹部内臓」としておりますが,上腹部と下腹部のどちらの手術操作がメインかという観点から,小腸手術を上腹部に分類すべきと判断される場合は,「上腹部内臓」としていただいて結構です.

Q3:人工肛門造設手術はどの分類にすべきですか.
A:上腹部内臓に分類されます.

Q4:麻酔導入時に生じたアナフィラキシーショックはどちらに分類すべきですか.
A:B:術中発症の病態が原因 - 1:全例 - k:アナフィラキシーショックとしてください.

Q5:膝窩動脈血栓症での血栓除去術はどちらに分類すべきですか.
A:c 心臓・血管, 15 大血管以外の動脈への分類でお願いいたします.

lastupdate20170130

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