麻酔を受けられる方へ

麻酔を受けられる方へ <11>

麻酔に関連する合併症

全身麻酔の合併症・偶発症 ①
《歯が欠ける、抜ける》
呼吸のためのチューブやマスクを挿入する操作や、麻酔から覚めるときに歯をくいしばることにより、 グラグラした歯や義歯が損傷することがあります。

《喉の痛みやかすれ声》
声帯は気管にある膜で、声を出すのに使います。気管にチューブをいれるときや、長時間の人工呼吸で、声帯に少し傷がつき、 麻酔から覚めたあと、喉の痛みやかすれ声になることがあります。 術後に嗄声のある場合、その原因として披裂軟骨脱臼などの可能性があり、専門医の診断を必要とします。
まれに、この傷がもとで声帯肉芽腫(粘膜が盛り上がる)ができることや、声帯を動かす反回神経が麻痺することがあります。 このようなときは声を出しにくい、むせるといった症状があらわれ、回復までに時間がかかることがあります。

《肺炎(誤嚥性肺炎)》
麻酔中や麻酔直後は、胃の内容物が気管内や肺に入り、ひどい肺炎が起きることがあります。 そのため、手術前の絶食・絶水の指示は必ず守って下さい。
誤嚥性肺炎を起こしやすいのは、消化管に通過障害のある方や胃に食べ物が貯まっている方、 妊婦さん、お腹に大きな腫瘍のある方、外傷を受けたばかりの方などです。

《気管支痙攣(喘息発作)、喉頭痙攣》
吸入麻酔薬や喉にいれたチューブの刺激、あるいは使用薬剤のアレルギー反応で気管支痙攣(喘息発作)を起こす可能性があります。 喘息の持病がある方だけでなく、そういう病歴が無くても発作を起こすことがまれにあります。
咽頭痙攣とは、声帯が閉じたまま固定してしまい、一時的に呼吸ができなくなるものですが、 麻酔科医の適切な処置により回復します。

《悪性高熱症》
麻酔薬により筋肉が硬直したり、高熱が生じたりする病気です。 このような遺伝を持っている人は2万人から6万人に1人程度ときわめてまれです。 血縁の方に麻酔でこのような異常反応を起こした方がいれば主治医あるいは麻酔科医に必ずお知らせ下さい。