日本麻酔科学会 70周年記念誌
10/168

岩月賢一、天野道之助、山下九三夫の各先生方が就任された。そして6月には第1回審査が施行さ 日本麻酔学会(当時)の成立は、1950年6月から9月に渡って開催された日米連合医学教育者協議会でのMeyer Saklad先生による麻酔学講習会が外科指導者達に多大なインパクトを与え、麻酔学の重要性・必要性が議論されたことに起因する。その直後、9月には東京大学第1外科(清水健太郎教授)に麻酔班が創設された。その際、外科集団会にて山村秀夫先生が外科医から麻酔科医に転向されたことが公表された。また、1951年4月には第51回日本外科学会において、前田和三郎会長は、麻酔学の教育及び研究は緊急を要する旨のことを講演の中で述べられた。これを契機として、1952年東京大学に我が国初の麻酔学講座(山村秀夫助教授)が誕生した。と同時に文部省総合研究麻酔班(武藤完雄教授)が発足した。 1954年1月に日本麻酔学会設立のための会合がもたれた。篠井金吾、清水健太郎、木本誠二、福田保、前田和三郎、武藤完雄の外科系各教授に麻酔科関連から、山村秀夫、天野道之助両先生が加わり、麻酔に特化した学会設立への具体的な手順が話し合われた。5月1日、日本麻酔学会設立準備委員会で決議し、翌日の日本外科学会評議員会での賛同により、日本麻酔学会は創設された。その結果、第1回日本麻酔学会総会(武藤完雄会長)は、10月22日に東京都豊島公会堂で開催された。当時の会員数は700名、評議員数は39名、当時既に刊行されていた「麻酔」誌が学会準機関紙となった。 1957年には、日本麻酔学会は設立3年で日本医学会第45分科会となった。麻酔科を標榜科にする運動も始まり、1960年2月19日に医道審議会を経て、特殊標榜科として許可された。3月14日には厚生省医療局長から各都道県知事宛に「麻酔科の標榜の許可について」の通達がなされた。そして、4月23日に標榜医を審査する麻酔科標榜審査会が設置され、資格審査委員に稲本晃、山村秀夫、れ、35名(約60名申請)が合格した。 1961年5月1日、第8回日本麻酔学会評議員会で適当な指導者の認定制度の検討がなされた。そして、指導医認定受験資格として1)3年以上の日本麻酔学会会員、2)麻酔科標榜医 3)5年東京八重洲クリニック記念シンポジウム70周年記念シンポジウム 記念講演会収載第1部 4花 岡 一 雄日本麻酔学会(当時)の成り立ちから 社団法人-公益社団法人への道のりFoundation and Incorporated Association of Japanese Society of Anesthesiologists

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る