日本麻酔科学会70周年おめでとうございます。記念誌に投稿の機会を与えて頂き誠にありがとうございます。改めて関係者の皆様に感謝申し上げます。 さて日本麻酔科学会は公益社団法人であり内閣府の監督下にあるが厚生労働省は医療法、医師法に基づき医療機関や医師を監督する権限を有するため、麻酔科学会の施策を進めていくためには、厚生労働省の理解や応援が必要となる。また、保険診療行為の対価(診療報酬点数)は中央医療協議会(中医協)で審議決定され、厚生労働大臣に建議され、厚生労働大臣が決定することが原則となっている。医療費の総額については、最終的に厚生労働大臣と財務大臣の両大臣の合意によって決定する。 まず中医協について改めて簡単に紹介したい。小生も数年2号側(医療提供者の立場、日本医師会3名、病院団体2名、歯科医師会1名、薬剤師会1名計7名からなる)委員として参加した経験を有する。1号側(支払い側として健保連1名、協会健保1名、連合1名、患者代表1名、経団連1名、海員組合1名、自治体1名計7名からなる)と2号側が、個別の医療行為の評価について、かなり激しく意見をぶつけあうことになる。その際中立的立場で調整するのが公益委員である。その他、決定権はないが専門的立場で医療現場の状況等を発言することが許されている専門委員(看護協会等4名からなる)がいる。ただし中医協の権限は診療報酬改定ごとに縮小しており、以前のように診療報酬の改定率を決定するなどの医療に及ぼす大きな権限は今や失われている。厚労省の保険担当医系技官が、2年ごとの診療報酬改定における目玉的な項目として掲げた項目についての議論することが主になる。 厚労省の官僚は、政府(総理、官房長官、財務大臣、厚生労働大臣、厚労副大臣、厚労政務官、案件によってはIT担当大臣等医療に関わる政治家)の指示に基づき政策を進めているため、これらの議員の考え方も診療報酬の方向性に影響を及ぼす。さらに医療費の4分の1程度の国庫負担があるため、その観点から財務省の官僚からの圧力が相当程度厚労省官僚に日常的にかかっている(表には出てこないところで)。前述の政府関係議員や与党の有力議員に対しての説明を通して、改定への影響力を発揮しており、その政策に及ぼす影響力は極めて大きい。 重要な案件は、閣議で決定されるものも有る。また政府には厚生労働委員会があり、与野党の国会議員が重要な案件について審議、その決定も政府の方向性に一定の影響を及ぼす。さらに与党(主に現在であれば自民党、公明党)には、医療法人社団聡伸会今村医院 理事長・院長行政との関係第2部 寄 稿行政との関係111今 村 聡厚労省・国会議員との関係性、 保健医療点数、これまでとこれから
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