就任、現在は高雄が務めさせていただいております。 2023年度における当学会の会員ですが、44歳以下の会員の占める割合は49.7%となっており、比較的若い世代が増えつつあります。また女性が占める割合は、会員全体に占める割合は41.3%ですが、44歳以下では50%を超えています (20歳台では52.5%、30歳台では52%、40~44歳では51%)。本邦での医学生における女性比率が年々増加していることを鑑みると、今後も麻酔科における女性会員数は増加することが予想され、学会の発展のためには、女性の活躍がこれまで以上に必要とされることは言うまでもありません。しかしながら、学会の各委員会構成員数を調査したところ (2023年度、オブザーバーを除いた下部組織構成員も含めた委員会の構成員)、女性の占める割合は、多い委員会で22%、少ない委員会で6%という結果でした。また学術集会における学術集会プログラム作成の体制は、専門別に8WGがあり、それぞれのWGにサテライトメンバーが組織されています。サテライトメンバーは、その領域における専門家が集まっており、この中からWG長とWGメンバーが選考され、学術集会における各専門分野におけるプログラムを決定していきます。そしてサテライトメンバーの中からシンポジウムの演者や座長、また一般演題の座長が決定されていくことが多く、さらにサテライトメンバーは、学術集会の一般演題の査読や、学会機関誌の査読といった重要な仕事を任されます。現時点のサテライトメンバーの男女比を調べたところ、領域によってかなり大きな差がありました。小児・産科領域では46%とほぼ男女同数でした。ペイン緩和・局所麻酔領域が次に多い領域ですが、それでも27%で、その他の領域では5~10%という結果でした。 麻酔科学会では、男女共同参画推進活動をいち早く取り入れ、ジェンダー問題に取り組んできました。2016年度実施選挙より、女性枠理事と女性枠代議員が設置され、その後さらに推進活動を発展させるために男女共同推進室が設置されたことを先に述べました。さて女性枠理事ですが、現在4人設定されており、条件を満たした女性代議員が立候補し、全国選挙で選ばれます。女性枠代議員は、選挙が行われる年度当初の各支部選挙区に所属する女性正会員数より、各支部の女性枠代議員の定数が決定されます。2024年度の代議員の定数は医育機関が180人、病院が120人で、各支部で立候補と選挙が行われるのは皆様ご存じと思います。女性枠代議員ですが2024年は45人設定されており、各支部内で立候補と選挙が行われます。通常の代議員選任選挙で選ばれる女性会員が年々増えてきていることより、将来は女性枠が撤廃されるほどの数が増えることが理想です。ダイバーシティ推進室では、女性の座長やシンポジスト数を増やしていくことも目標に掲げています。このため2021年度の支部集会において、ダイバーシティ推進室より各支部の支部長に対して、「女性座長登用のお願い」をさせていただいたところ、2021年度は支部会においては大会長のご協力で51%に女性座長を選んでいただきました。大変有難く思います。ただし2021年はコロナ禍の真っただ中でもあり、全WEB開催のため座長数自体が85人と減少していました(コロナ禍前2019年は267人、2020年は支部集会自体が中止)。その後も女性座長登用のお願いを継続しています。ハイブリッド開催となった2022年度と2023年度の女性座長登用はそれぞれ24.5%(全座長数135人)と26.2%(全座長数195人)と後退したものの、2019年度が14%であったことを考えると一歩ずつ前進しています。しかしながらいろ麻酔科学会の取り組み・ダイバーシティ推進室麻酔科学会の現状114
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