日本麻酔科学会 70周年記念誌
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が認定を受けた。後付けになるが、それら麻酔科医を認定するにあたり指導医(現在でいう専門医)がいる認定施設が必要となり、1963年には、今の専門医試験の基礎となる指導医試験が行われ、44名が指導医となった。このことは、他学会に先駆けて行われてきたものであり、わが国における麻酔科医の専門性と安全性を高めることに寄与したと言っても過言ではない。その後、多くの学会が参加する学会認定医制協議会(後の専門医認定制協議会)の活動に合わせ、2002年からはそれまでの指導医を専門医と読み替えることとし、翌2003年には認定医を設置し、「認定医・専門医・指導医」の3段階とすることとした。その間の2001年、花岡先生のご講演にもあったように、大変な苦労をされた後、日本麻酔学会は社団法人化され、その10年後の2011年には現在の形の公益社団法人となって活動を続けている。公益社団法人は、国民のための活動を中心に行うことを前提として、多くの税金が免除されている。この点において会員は、支払っている年会費、更新料、学会参加費などの費用が、会員の学術・教育活動に使われる以外に、国民のために使われるべき費用であることを認識すべきである。 定款は代議員の2/3以上の賛成をもって変更することが出来る。逆にいえば、過半数をもってしても変更することが出来ない強固なものである。しかし、森田元理事長が講演で述べられたように、時代に合わせて変更も検討する余地がある。 例えば、理事は2年任期を継続して2期しかできない。理事は・全国理事・病院理事・支部理事・女性理事で構成されるが、支部理事は理事長になることが出来ない。また基本的に理事は選挙で選ばれるため、継続して2期行うことが出来ない可能性ももちろんある。従って、理事長を務めるのは2年あるいは4年のみとなって、前年度に承認された短期計画に則って活動すると、瞬く間に任期を終える。長期の理事体制は、法人として理事長・理事らの意見に反論しにくくなるデメリットもあるが、時代に合わせて大きな課題や改革に取り組める可能性もある。2年3期、3年2期、あるいは他学会でもあるような前理事長が新理事会体制の常務理事で残る、などの検討をしてもいい時期に来ているかもしれない。ちなみに、事務局をはじめ、各種委員会には前委員長がオブザーバとして参加するが、理事会にはない。私自身に可能性がない前提で、あえて述べさせていただいた。 現在、委員会は、・事務局・総務委員会・財務委員会・倫理委員会・学術委員会・国際交流委員会・関連領域検討委員会・教育委員会・安全委員会・広報委員会・麻酔博物館委員会で構成される。委員会に関しても理事の任期と同様で、勝手に多くの委員会を立ち上げることは出来ない。一方で、時代の要請に応える形で、委員会によってはそのエフォートが大きくなっている部門もある。とくに学術団体である日本麻酔科学会は、二大事業である学術と教育に関する委員会のエフォートは大きい。また、医療安全の高まりから、安全委員会は多くのガイドラインや安全指針を検討、発出しなければならず、負荷がかかっている状態である。教育委員会などは、“専門医制度に関する特化した部門”理事会・委員会118

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