市立札幌病院救命救急センター事例が表面化した2001年、事態を重く見た厚労省は歯科医師の救急研修および医科麻酔科研修のガイドラインを作るべく、関係学会と協議を始めた。また世論も法的整備の必要性に向けて動いた。かくして日本麻酔科学会と日本歯科麻酔学会が合同で厚労省科研費による研究班を組織した。事態は急を要したため翌2002年には研究報告書をまとめ、これは「歯科医師の医科麻酔科研修のガイドライン」として厚労省より通達された。ガイドラインの骨子は、研修実施側の条件、研修を受ける歯科医師側の条件、研修方法の条件の三つから成り、これを遵守することで研修を可能とするものであった。 2002年4月に厚生労働省は、専門医の広告規制を緩和して、専門医告示をもって、広告可能な専門医資格を認定する団体の基準を決め、これを満たす学術団体が認定する専門医の広告を可能にした。麻酔関連の資格では、厚生労働省認定の麻酔科標榜医、日本麻酔科学会認定の認定医、指導医があったが、専門医を設置してこなかった。そこで日本麻酔科学会では広告可能とするために、2002年8月より「麻酔指導医」を「麻酔科専門医」に読み替えることになった。(武田純三) わが国ではそれまでがん性疼痛におけるオピオイドの主役はモルヒネであった。しかもモルヒネ製剤以外の他のオピオイドはわが国では認可されていなかったので、モルヒネの長期投与による副作用等の問題に対して、オピオイドローテーションをとることができなかった。そのためモルヒネ耐性に対しては増量で対応せざるを得ない状況であった。そのような背景のもと、フェンタニルパッチが市場に登場した。本剤はモルヒネからオピオイドローテーションを行える国内初の製剤であるという点だけでなく、貼付剤として、経口摂取ができない患者さんにも使用でき、しかも1回の貼付で72時間効果が持続するという画期的なオピオイド製剤であった。(花岡一雄) 2003年5月30日に日本麻酔科学会の第50回記念式典が横浜のパシフィコ横浜国立大ホールで午歯科医師の医科麻酔科研修のガイドライン「麻酔指導医」を「麻酔科専門医」に読替フェンタニルパッチ(デュロテップパッチ) 発売第50回大会で記念式典・日本麻酔科学会・(澄川耕二)・日本麻酔科学会・・薬 剤・・日本麻酔科学会・1442003年7月10日8月1日3月5月30日
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