日本麻酔科学会 70周年記念誌
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後1時から盛大に挙行された。式典は花岡一雄理事長の式辞に始まり、文部科学大臣遠山敦子氏、厚生労働副大臣鴨下一郎氏、日本医学会会長森 亘氏、世界麻酔科医会連合会長Kester Brown氏などから祝辞が述べられた。式典に先だって坪井 栄日本医師会長の記念講演があったが、圧巻は式典後に記念講演として行われたノーベル文学賞受賞者大江健三郎氏による講演「病気と死についての深い知識の向こうにあるもの」であった。学会会員や市民に深い感銘を与えた。式典の詳細は『日本麻酔科学会50年史』を参照されたい。 JSAPIMSは、偶発症例調査事業の一環として2004年に開発・配布が開始された。偶発事業は1992年に開始され、「わが国の麻酔の現況を数字として把握し、今後の発展・改善に寄与したい」という旨が記録されている。2000年代には国のe-Japan戦略もあり、医療の電子化の機運が高まった。学会員の支持のおかげで導入施設数は毎年増加し、2019年には専門医制度への準拠を加え、認定病院での導入率が100%となり、事業開始から約30年を経て先達麻酔科医からの念願が達成されることとなった。JSAPIMSがこれからも日本麻酔科学会員全体のパフォーマンスを映す鏡であり続けることを祈念する。 2001年に秋田市で救急救命士による違法な気管挿管が明るみに出て、日本救急医学会、日本麻酔科学会、日本臨床救急医学会、日本蘇生学会の合同調査が2002年に実施された。並行して、「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」が開催され、救急救命士による気管挿管の実施についての検討が始まった。 その結果、2004年3月23日に法の改正が行われ、同年7月1日より救急救命士の行う救急救命処置として、医師の具体的指示下での心肺機能停止状態の患者への気道挿管の実施が加えられた。気管挿管実習は日本麻酔科学会が担うことになり、指導者の基での患者からの同意取得と30例以上の経験が基準となった。 社会問題化してきた麻酔科医不足に対して総務委員会の将来構想検討専門部会は、日本産業衛(松木明知)・日本麻酔科学会・(澤 智博)・日本麻酔科学会・(武田純三)・日本麻酔科学会・「2004年に無料配布が開始された、麻酔台帳、JSA-PIMS」について救急救命士による気管挿管の開始「麻酔科医マンパワー不足に対する日本麻酔科学会の提言」年表1452004年2005年7月1日2月9日

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