日本麻酔科学会 70周年記念誌
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書」として報道された。両学会の合同調査にて「事前技能評価不履行」「患者同意書取得の不履行」「研修項目設定の不足」など、ガイドラインから大きく逸脱していたことが判明。この事案調査結果を受け「麻酔責任者は麻酔科医」、「研修をインターネットによる登録制にする」「歯科医師の麻酔参加の同意書取得必須」等とし、2009年4月に改定新ガイドラインとして通達された。 歯科医師による医科麻酔研修ガイドラインが2002年に策定されたが、現行の研修で指摘された問題点を改善すべく2008年にガイドラインが改訂された。その要点は医師法17条違反の違法性を阻却するための厳格な要件である研修目的の正当性、安全性確保のための方法の相当性、研修目的を説明した上での患者からの同意である。具体的には(1)研修症例における麻酔の責任担当者は研修指導者であり、麻酔記録上の筆頭者となること、(2)歯科医師が研修目的で麻酔行為に参加することを説明し、個別に同意を得ること、(3)研修を受ける歯科医師と研修施設の麻酔科の長は、歯科医師の研修開始時及び研修修了時に必要な事項の登録または報告等を行うこと等を義務づけた。 2008年当時会員数が年々増加し学会の規模が大きくなるにつれ、委員会活動の増加、事務局機能の拡大、公益法人化に向けての準備など学会機能を運営する上で事務局の手狭感が強くなり、また旧事務局ビルは築年数が古く耐震面でも問題がある、など新しい事務局の必要性が浮上していた。2007年に本格的に移転に向けて検討を開始したが、東京都内では広さや価格の面などで適当な物件が見当たらなかった。その頃学術集会や指導医試験で関係の深かった神戸市が浮上し、神戸市などの協力も得られたため現在のポートアイランドに決定し2008年4月1日から本格始動、8月27日には開所式を施行した。 2007年に麻酔博物館企画委員会を設置して、神戸での開館の準備を開始した。国内にどのような物が残されており、どれくらい収集できるのか不明で、どの程度のスペースが必要となるかも分からない状況であった。当分の間は日本麻酔(科)学会に関する資料の収集を主眼とし、会員(多田恵一)・日本麻酔科学会・(小板橋俊哉)・日本麻酔科学会・(古家 仁)・日本麻酔科学会・「歯科医師の医科麻酔科研修のガイドライン」改訂事務局が神戸に移転、開所式施行「麻酔資料館」開館年表1472008年2009年6月9日8月27日8月16日

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