日本麻酔科学会 70周年記念誌
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が設立され学会認定制度の標準化が目指された。本学会は2015年度から日本麻酔科学会認定麻酔科専門医研修プログラム制度を開始し、2018年4月に開始された19基本領域における新専門医制度に参入した。本学会が専門医認定・更新審査の一次審査を行い、日本専門医機構の審査を経て機構専門医として認定される制度が確立した。 2014年5月に日本専門医機構が設立され、2015年度から2018年度まで、日本麻酔科学会で副委員長及び委員長を務め、2015年度学会研修プログラム開始と、機構専門医研修・認定制度への移管作業に携わった。学会の資格体系は、認定医、専門医、指導医の3層で上位資格は下位資格を包容するとされていたが、専門医機構による専門医制度導入されると、学会資格の意義や価値が不明確になった。そこで、認定医資格と指導医資格要件を見直し、また象徴として資格認定バッジ配布する取り組みを行った。学会から機構への制度の移管に伴う多くの困難があったが、国民全体への利益を考えたより良い専門医制度を目指す方向で進められた。 特定行為研修を修了した看護師が活動する場面として当初想定されたのは、常時医師がいることが難しい、あるいは呼び出しを受けても到着までに時間を要するような介護施設等であった。しかし、医師の働き方改革の議論の中で、急性期医療を担当する医療機関内においても研修を修了した看護師の特定行為実施は有効であるとされた。麻酔科領域でも周術期に実施されるいくつかの特定行為が抽出され、セットで研修することで、それまでの特定行為毎の研修よりも短時間で研修を修了できるパッケージ化が行われた。日本麻酔科学会は、他の団体に適切な研修内容を提示する意味で、学会自体が研修実施団体となり研修制度を開始した。 COVID-19情勢を踏まえ2020年8月の会場確保も図りながら、同年3月19日理事会で「現地開催と後日WEB配信のハイブリッド開催との大会長方針」を承認。同日夜に公表された新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言を受け、「現地開催を断念し可能な範囲でWEB開催」への方針転換を再審議にて25日承認し公表。30日学術集会実行委員会を臨時開催、WEB開催準備(稲田英一)・日本麻酔科学会・(佐和貞治)・医療事件・(齋藤 繁)・日本麻酔科学会・麻酔科認定医、麻酔科指導医の学会規程策定特定行為にパッケージ研修『術中麻酔管理領域』開始COVID-19 パンデミックのため学術集会現地開催中止1522019年2020年6月4月

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