日本麻酔科学会 70周年記念誌
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る[6]ものの、既にピークを迎えた医療圏では入院患者数は減少してきている。2025年から2040年に上の適切な評価の必要性、3.手術を行う病院の集約化が掲げられた[4]。 日本の人口は近年減少局面を迎えており、2070年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は38%台の水準になると推計されている(図1) [5]。全国での入院患者数は増加傾向にあり、2040年にピークを迎えることが見込まれ、65歳以上が占める割合は継続的に上昇し、2040年には約8割となることが見込まれている。また、2次医療圏によって入院患者数が最大となる年は様々であるが、既に2020年までに89の医療圏が、2035年までには260の医療圏がピークを迎えることが見込まれていかけて65歳以上人口が増加する2次医療圏 (135の医療圏)では、急性期の医療需要が引き続き増加することが見込まれるが、がん・虚血性心疾患・脳梗塞については、入院患者数の増加ほどは急性期の治療の件数は増加しないことが見込まれる。また、大腿骨骨折の入院患者数・手術件数は大幅な増加が見込まれる(図2) [6]。このように超高齢化・人口急減により急性期の医療ニーズが大きく変化するが、しばらくの間手術需要は増えることが想定されている。 令和2年度医師需給推計によると医師需給は、労働時間を週60時間程度に制限する等(≒年間960時間の時間外・休日労働に相当)の仮定をおくと、2023年(令和5年)の医学部入学者が医師となると想定される2029年(令和11年)頃に均衡[7]し、以降は医師が過剰となることが推計されている(図3)。また、令和4年度厚生労働白書によると令和2年12月時点での平成6年を基準とした診70周年記念シンポジウム 記念講演会収載図1 日本の人口の推移医師需給等からみる麻酔科の位置付け17

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