1.) 時代が激しく変化して行くなかで、組織の活動が円滑、的確に継続、発展していくには「繋ぎ」の役割を果す人物が必要である。それは歴代の日本麻酔学会会長および日本麻酔科学会理事長が担ってきた。2.) 私は1998年から第46回日本麻酔学会の会長として任意団体の麻酔学会を社団法人として新たに設立する準備に、そして2007年から社団法人日本麻酔科学会の理事長として、公益社団法人日本麻酔科学会設立の準備にそれぞれ携わり、「繋ぎ」の役割を果してきた。3.) 理事長には日本麻酔科学会のトップリーダーとして、その時代に強く要望される課題に対して迅速、適切に対応し、その展望を明示する責任と義務がある。4.) 本シンポジウムのクロージングとして、第3代理事長時代に携った課題と実績を基に、公益社団法人日本麻酔科学会の今後についての見解を述べる。 第1は麻酔科医マンパワー不足に関する課題と展望、第2は事務局体制の強化、円滑な管理運営、第3は学会活動、特に学術・研究、人材育成の推進、であった。1.) 麻酔科医の役割、麻酔科診療に対して誤った、不適切な考え方を持っている者および団体に対する適正な対応が必要である。その対応として、麻酔科医には再教育・指導、医療関係者には忠告・協議、一般関係者には説明・啓発が必要であった。2.) 学会として、現状を把握したうえでの具体的な対策を明示し、実行する。その具体策として、麻酔科医の増加、業務の見直しと負担軽減、働きがいのある環境作りを委員会およびワーキンググループで検討した。3.) 現状打解のため行政、学会、医師会、諸団体、政治家、マスコミなどとのコミュニケーションを図り、積極的に活用する。学会として、公的に対応が必要なものは理事長を中心に常務日本麻酔科学会元理事長・ 小樽市病院局長記念シンポジウム70周年記念シンポジウム記念講演会収載70周年記念シンポジウム 記念講演会収載第1部 1.日本麻酔科学会における私の立場と役割2.新執行部が直ちに取り組んだ重要課題 (2007年)3.麻酔科医マンパワー不足の現状把握と対応27並 木 昭 義公益社団法人としての 日本麻酔科学会の展望
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