日本麻酔科学会 70周年記念誌
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理事さらに理事長から指名されたものが担当した。1.)事務局移転に関しては:⑴ 2007年の第6回通常総会において、事務局の移転、年間費用額が承認され、その他の具体的な検討は理事会に一任された。⑵ そこで常務理事会が中心になり種々の課題と条件(耐震性、面積、費用、交通アクセス、近い将来に麻酔博物館の併設など)についてを検討した。⑶ その結果、2008年4月から学会事務局本部を、神戸ポートアイランドにある神戸キメックセンタービルに移転する方針に決めた。2.)移転決定の経緯に関しては:⑴ この間の情報をホームページやニュースレターにより代議員、会員に提供した。また各支部の学術集会に本部から出向き、実情の説明を行った。そのような努力により臨時総会では反対意見もなく承認された。⑵ このことから重要な事項は早期からしっかりと情報公開、説明をくり返すことの大切さを教えられた。3.)事務局体制に関しては: 会員および事務職員の皆さん方には、事務局がこれまでの個人商店的経営から公的企業の経営管理体制になることをしっかり認識させた。1.)学術・研究活動と展望:⑴本学会の活動は他学会だけでなく日本医師会さらに厚生労働省から注目されていた。⑵ 特に厚労省は麻酔科が全診療科に関連する重要な診療科であることを認識し、本学会に国のシンクタンクとしての役割を求めていた。⑶ 本学会では厚労省から科学研究費補助金を受けて、他学会との共同プロジェクトを進めてきた。2.)人材育成活動と展望⑴ 当時、全国の麻酔科および日本麻酔科学会に求められるものは、信頼される、誠実で熱意のある、そして将来性のある麻酔科医であり、その育成に努めた。⑵ 特に若手麻酔科医は麻酔科医としての知識、技術、人間性をしっかり学ぶ。そしてその教育、指導に当る麻酔科医は、若手麻酔科医達に信頼、尊敬される人間関係に努め、彼らに麻酔科の専門知識、技術およびチーム医療など他職種との人間関係の大切さを指導した。⑶ 特に教授など管理・指導的立場にある者は、彼らの考え方、態度、行動がその診療部門の活動方針、雰囲気、実力・実績をもたらすのに極めて大きな影響を与える。その自覚が重要であった。3.)世界麻酔学会活動に関する貴重なメッセージ:⑴故稲本晃先生(元京大教授)の「第5回世界麻酔学会の回顧」の論文趣旨 第5回世界麻酔学会が1972年に京都で開催された。本学会が将来再び日本に巡ってくるときの参考になると考え論文にまとめた。学会準備段階では何度も難局に直面したが、学会は4.事務局に関する課題と展望5.日本麻酔科学会の学会活動の実情と評価28

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