日本麻酔科学会 70周年記念誌
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ンの検討を開始。2020年 「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)」を発行[56]。2021年 「安全な鎮静のためのプラクティカルガイド」、「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版、英語版)」[57]を発行(原 哲也WG長)。2022年 「安全な鎮静のためのプラクティカルガイド」改訂版を発行(原 哲也WG長)。2023年 「安全な鎮静のためのプラクティカルガイド」改訂版の英語版[58]を発行。 現在は、レミマゾラムの内視鏡検査や処置における鎮静へのニーズの対応、小児の各種検査における鎮静の対応も課題となっている。◆多職種連携の推進と安全対策2004年、2011年、2013年 総務委員会が「麻酔科医のマンパワーに関する調査(マンパワーアンケート)」を行い、それぞれ2005年、2012年、2015年にまとめたように[40]、手術の麻酔に加え、集中治療、ペインクリニック、緩和医療を含めて対応するための麻酔科医は不足している。しかし、麻酔科診療は看護師ではなく麻酔科医が行うことを強く推奨していた。2008年 「麻酔科医マンパワー不足に対する日本麻酔科学会の対策案」として麻酔科医による麻酔診療を充実するための対策を検討。 その後、急性期病院における麻酔関連業務の増加とチーム医療の理解が進んだ。2018年 働き方改革に関する法整備が整った影響から、専門性のある多職種が連携して麻酔関連業務を進めるタスクシフト/シェアを推進。その中で医師以外による医行為やリスクのある処置等について、国民が安心・安全な医療を受けられるために、麻酔関連医行為のガイドライン等を検討。2019年 「麻酔科医の行動規範」の前文において、麻酔科医がチーム医療のリーダーとしての役割があることを明示(小板橋俊哉理事長)。2021年 「手術医療におけるタスク・シェアリング/シフティングのためのチーム医療等の推進」を発行[59]。・診療看護師および看護師による特定行為2010年 与党民主党小沢一郎幹事長に、「特定看護師」が行う業務の中には「麻酔医療」を含むべきではないことを強く提言(森田 潔理事長)[40]。2011年 理事会声明「「特定看護師(仮称)」についての学会としての考え方」を発出[40]。「医師の包括的指示」のもとに医行為として麻酔医療が含まれることに本学会は大きな危惧を示し、そのための特定看護師(仮称)研修に協力せず、「周術期管理チーム」事業を推進することを発表。2013年 特定医行為(案)から気管チューブの挿管と抜管を外すための緊急声明「看護師による気管挿管実施に関する緊急声明」を厚生労働省(医政局長、医事課長、看護課長)に提出(外須美夫理事長)[40]。2022年 看護師の特定行為研修の推進と継続的な教育を進める理事長声明「特定行為に係る看護師の研修制度」を発出(山蔭道明理事長)[40]。特定行為に関する安全性の検討 WG(藤村直幸WG長)設立。2023年 「麻酔関連業務における特定行為研修修了看護師の安全管理指針」制定。2024年 特定行為研修修了看護師活用WG(北川裕利WG長)設立。近年は周術期管理チームの資格に対する学会の責務が課題。・臨床工学技士の麻酔補助2023年 臨床工学技士に関する安全管理指針WG(藤村直幸WG長)設立。麻酔関連行為の補助範囲と安全管理は、本学会が推進してきた周術期管理チームとの整合性も含めて適正化を検討。・救急救命士の気管挿管実習 2004 年 多くの実習が日本麻酔科学会の認定病院において麻酔科医の指導により行われていたため、厚生労働省医政局長通知「救急救命士周術期安全53

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