煙活動を促進することが端緒となった。同年8月に「禁煙推進学術ネットワーク」に本学会は12団体目として加盟し、学会内の会議の禁煙化が進んだ。その後、WG委員による多数のエビデンスに基づき質の高いガイドラインが発行された。長年の継続した啓発活動で、術前4週間以上の禁煙が一般化した功績は大きい。2009年 第56回学術集会から禁煙化。2013年 周術期禁煙ガイドライン検討WG(飯田宏樹WG長)を発足。2015年 「周術期禁煙ガイドライン」を発行、医療従事者用と一般市民用の啓発ポスターも作成。2016年 周術期禁煙ガイドラインWG(飯田宏樹WG長)を発足。2017年 ガイドラインの英語化[68]。2018年 周術期禁煙ガイドライン作成WG(飯田宏樹WG長)と改組改名。2019年 キャンペーン活動を担う周術期禁煙推進WG(飯田宏樹WG長)を設立。同年に周術期禁煙ガイドライン改定WG(飯田宏樹WG長)を発足。2021年 日本語版と英語版[69]の「周術期禁煙プラクティカルガイド」を発行。周術期禁煙推進WGは、患者説明用のリーフレットを作製。2024年 患者用禁煙推進動画を作成。周術期禁煙キャラクター「フェアリー・スワン」誕生。安全を最優先とする医療 国民が安心できる麻酔科診療の根幹は、安全の最優先である。安全には治療に直結しない人・物・金・時間を要する。さらに、麻酔科医のみならず各科の医師、医療スタッフ、病院管理者、行政、関係企業・団体が同じ認識を持つ必要がある。 本学会の設立から70年以上、法人化されて20年以上を経過し、安全管理に関する事業が幅広くなったことは10年以上言われ続けている[70]。あらゆる学会で学術団体としての責務は増え、研究に費やす時間が減っている中、本学会ではガイドライン作成を中心に増加した安全事業を再考すべく、2024年に安全部門のあり方検討WG(水本一弘WG長)が発足される予定である。 本項を終えるにあたりご助言いただいた歴代安全委員長、ならびに奥田泰久先生、澤 智博先生に深謝いたします。日頃から資料の管理に尽力されている事務局員の皆さん、とくに偶発症に関連するデータ担当の河内秀生さん、大浜怜子さん、河本麻伊さん、安全委員会担当の麦 璐儀さん、甲斐真理子さんにお礼申し上げます。参考文献[1] 2024年度日本麻酔科学会事業計画:https://anesth.or.jp/files/pdf/2024chouki_20240322.pdf(2024年6月26日閲覧)[2] 日本麻酔科学会指針・ガイドライン:https://anesth.or.jp/users/person/guide_line(2024年6月26日閲覧)[3] 入田和男、川島康男、小林 勉、後藤康之、森田 潔、巌 康秀、瀬尾憲正、津崎晃一、土肥修司:「麻酔関連偶発症例調査1999」について ASA-PS別集計 日本麻酔科学会手術室安全対策委員会報告.麻酔2001;50:678-91.[4] 森田 潔、川島康男、入田和男、小林 勉、後藤康之、巌 康秀、瀬尾憲正、津崎晃一、土肥修司:「麻酔関連偶発症例調査1999」について:年齢区分別集計 日本麻酔科学会手術室安全対策委員会報告.麻酔2001;50:909-21.[5] 瀬尾憲正、川島康男、入田和男、小林 勉、後藤康之、森田 潔、巌 康秀、津崎晃一、土肥修司:「麻酔関連偶発症例調査1999」について 麻酔法別偶発症例結果 日本麻酔科学会手術室安全対策委員会報告.麻酔2001;50:1028-37[6] 巌 康秀、川島康男、小林 勉、後藤康之、森田 潔、入田和男、瀬尾憲正、津崎晃一、土肥修司:「麻酔関連偶発症例調査1999」について 手術部位別集計 日本麻酔科学会手術室安全対策委員会報告.麻酔2001;50:1144-53.[7] 川島康男、瀬尾憲正、森田 潔、巌 康秀、入田和男、津崎晃一、後藤康之、小林 勉、土肥修司:「麻酔関連偶発症例調査1999」について 総論 日本麻酔科学会手術室安全対策委謝 辞58
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