日本麻酔科学会 70周年記念誌
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会や団体の情報等は2024年6月当時の各学術団62教室名に麻酔・蘇生学教室のように蘇生の文字 日本麻酔学会(後に日本麻酔科学会と改称)の1954年発足当時の会員数は約700名余りだったと報告されている[1]。2024年現在の会員数が14,000人余であることを考えると70年間の間に実に20倍にも増加したことになり、驚愕の感に耐えないと共に、会員の増加に今までの間ご尽力された、また現在もご尽力されている全ての本学会関係の皆様にまずは御礼申し上げる。上述した麻酔科医師の増加とともにその活動範囲の拡大は70年間で大きく広がりを見せた。筆者は本70周年記念誌への寄稿時、本学会関連領域検討委員長を拝命しており、そのせいもあってか、麻酔科医師活動範囲の拡大、術中から周術期へ、そして手術室から手術室外へ、関連学会の拡大とその関係性について、今後の課題も含めて、という題目を頂戴したので、ここに謹んで記させて頂く。なお、記載してある各関連学体のホームページや年鑑を閲覧、あるいは同年5月に本学会の準機関誌である“麻酔”誌に特集で掲載された記事 (1-8) を基にしていること、誌面の都合上全ての本学会関連学術団体が網羅できているわけではないこと、各学術団体の前身である例会や、集会、研究会の発足年度や正式法人名称などは特別な場合を除いて割愛させて頂いている事は予め申し上げておく。 手術麻酔から産声を上げたいわゆる麻酔学と麻酔の臨床は、まさしく時空を超えて縦に横に広がることになる。今や本学会と並ぶ日本専門医機構の基本領域の19学会の一つである、日本救急医学会 (1973年発足)がその代表格であり、多くの私の先輩方は、現在も麻酔科専門医と救急専門医の二刀流で活躍されている。救急医学と隣り合わせの蘇生学も麻酔学と並行して発展してきた。日本蘇生学会 (1982年創立)は心肺蘇生法を一般市民にまで普及浸透させるための大きな役割を担っている。全国の多くの大学のを看板に掲げていることからも麻酔科医必携の学問が蘇生学である本事実は幾つの時代を経ても変わらないであろう。手術中の麻酔管理から公益社団法人日本麻酔科学会 関連領域検討委員長、北里大学医学部麻酔科医師活動範囲の拡大と関連学会との関係性と今後の課題第2部 寄 稿麻酔科医師活動範囲の拡大はじめに岡 本 浩 嗣手術中から周術期へ、 そして手術室から手術室外へ関連学会の拡大と関係性について  今後の課題も含めて

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