日本麻酔科学会 70周年記念誌
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が、これは年ごとに変わることも想定されるので各自HPで確認してほしい。これにより、今まで職務経歴書は所属している施設から発行してもらったものが、所属する施設の麻酔科責任者も署名することができるようになり、会員にとって申請の手続きが簡素になる。したがって、今年から在籍証明書、職務経歴書および従来通りの麻酔経歴書が必要である。 審査の対象は申請する年の5年前の4月1日から申請時までの申請書類が必要である。これは従来通りであるが、審査会で年度を間違っていて申請が不可となる方がいるので、今一度解説する。例えば、2024年度に機構専門医更新の方の認定証の認定期間は2020年4月1日から2025年3月31日となっている。しかし、審査されるのは2019年4月1日から2024年3月31日までの5年間の実績となる。したがって認定期間の5年目(この場合2024年度)にがんばって単位を取ろうとしても遅いので注意してほしい。 必要臨床実績は基本的にはJSA PIMSから年度ごとに担当麻酔症例・指導麻酔症例を印刷し、ICUやペインクリニックに関しては各自記載していただく形式で従来と変わっていない。必要単位数は全診療科で50単位必要である。麻酔科の場合、50単位の内訳は1)診療実績 最小5単位(最大10単位)、2)専門医共通講習 最小単位3単位(最大10単位)(医療安全・感染対策・医療倫理の講習会それぞれ1単位含むこと)、3)麻酔科領域講習 最小15単位(上限なし)(このうち10単位は日本麻酔科学会主催の講習会であること)、4)学術業績・診療以外の活動実績 最小6単位(上限なし)(最小6単位は学術集会への参加単位で取得すること)学術集会の参加単位は6単位以上はカウントされない。となっている。詳細は学会HP必要な症例・単位数(掲載場所:日本麻酔科学会HP>会員の皆様>各種認定情報・資格申請>必要な症例・単位数)で確認してほしい。なお、2026年度更新申請から共通講習の単位条件が変更になることが、日本専門医機構から伝達されていて、日本麻酔科学会でもHPで案内している。これまでの必修講習A 各講習1単位以上、合計3単位必須、具体的には1)医療安全講習会、2)感染対策講習会、3)医療倫理講習会 (すべて5年間に1単位以上)に加えて、必修講習B(各講習1単位以上、合計5単位必須) 具体的には1)医療法制講習会、2)地域医療に関する講習会、3)医療福祉制度に関する講習会、4)医療経済に関する講習会、5)両立支援に関する講習会 (すべて5年間に1単位以上)が追加される。現在、日本麻酔科学会では日本麻酔科医会連合にe-learning教材の作成を依頼している。2024年度中には学会HPにアップする予定であり、2026年度申請者は2025年度中にこれら必修講習全部で8単位の受講をしていただきたい。 また、審査期間の5年間のうち産休・育休などで単一施設週3日以上の勤務が実施できず52週間以上非従事期間がある方は、今回から休止期間の取得を行う必要がある。更新時に休止期間申請を行うことで、非従事期間に応じて翌年以降、休止期間となりその間に必要な単位や臨床実績の蓄積で再認定申請が可能となる。制度がかなり複雑なため該当する方は学会HPの認定申請制度に関するQ&A (掲載場所:日本麻酔科学会HP>会員の皆様>各種認定情報・資格申請>認定申請制度に関するQ&A) で確認してほしい。 現在、教育委員会で問題にしていること、将来に向けて考えていることをお伝えする。まず、筆記試験に関して、PC化されたのでいつでも好きな時に受験できるCBT化を議論したが、そのためには問題のストックを今の3倍程度増加する必要があり、また最新の問題にブラッシュアップすることを永続的に行うことは困難と考えている。出題分類を番号で整理し過去問の出題を有効的に行い、将来的には個々の受験生がこの分野が不得意であるとかこのプログラムの受験〇問題点と将来の方向性88

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