生はこの分野が不得意であるなどを解析してフィードバックすることを目指す方が教育的であると考えている。実技試験に関しては、以前のような神戸でシミュレータを用いた試験は困難であると考えている。現在の評価表をブラッシュアップすることとシミュレータ教育の受講ができないか現在検討している。悪性高熱やアナフィラキシー、緊張性気胸など通常の臨床では遭遇する頻度は低いが、いざ遭遇した時に麻酔科医はコマンダーとして周囲の人々に的確に指示してリカバリーする能力が必須である。高機能シミュレータによるこれらの危機的状況の経験と対応を学ぶことは有益である。全国の大学には高機能シミュレータはだいたい設置されていることが確認できていて、専門医試験受験前にACLSのように受講しておくことを受験要件に加えるかどうかの議論がはじまっている。 日本麻酔科学会の専門医制度は非常に複雑で新規申請も更新もわかりにくいのは重々承知している。学会専門医の新規申請は2023年度で終了し、学会専門医制度更新制度のみ現在残っているが2028年度が学会専門医更新の最終年度となっており、まだ時間はかかるが徐々に機構専門医に移行している。機構専門医のみに移行すると専門医制度はかなり簡素化することが期待できる。日本麻酔科学会認定医、指導医は従来通り存続する。専門医の新規申請や更新に関する情報は、毎年のように変更があり学会HPにその都度アップしているので是非普段から情報の確認をしていただき、些細なことで不合格にならないように気を付けていただきたい。麻酔科医の教育について、会員全員のコンセンサスが得られることは難しいが、みなさんが国民に対して誇れる麻酔科医として生涯学習できるような制度を構築したい。ご意見等があれば教育委員会にご連絡してほしい。教 育89
元のページ ../index.html#97