マンパワーに関するアンケート調査結果(個人)について 2004年03月31日
【2004年03月31日】
社団法人日本麻酔科学会
理事長 花岡 一雄
施設調査の結果に引き続いて個人調査の結果の一部を示す.
Ⅱ 個人調査
1. 対象と方法
対象は,日本麻酔科学会会員の中から無作為に800人を抽出し,本年7月に郵送法によるアンケート調査として行った.
内容は,大きく分けてⅠ.あなたご自身に関する質問,Ⅱ.麻酔業務の適正化に関する質問,Ⅲ.労務状況に関する質問,の3カテゴリーに分類した.
2. 結果
本報告では紙面の都合上一部のみ提示し、今後分析を加えて各アンケート結果について考察する予定である.
1) 回収率
800人中288人から回答があった(36.0%).
2) 本人に関する質問の結果
(1) 年齢(表1,図1)
回答者の年齢分布は最高,64歳,最低28歳,平均43.1歳であった.
表1.回答者年齢分布
年齢層 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64
人数 6 46 47 62 62 36 19 8
(2) 性別
性別では,男211人,女77人であった.
(3) 麻酔専門医の有無(図1)
回答者の中で麻酔科専門医は,有りが264名,無しが23名で,年齢による偏りはなかったが,25から29歳の年齢層の回答者には専門医はいなかった.
(4) 専門医取得年数
専門医を有する回答者の平均取得後年数は11.7±7.4年(mean±SD)であった.
(5) 現在の麻酔業務に従事しているか否か
従事している回答者が262名,していないと答えたのは24名(不明2名)であった.
(6) 麻酔業務に従事していない場合の理由
24名の従事していない医師の理由として,研究1,家事・育児6,他科勤務10(院内:ペインクリニック1,ICU2,内科5,救急1,産婦人科開業1)であった.
また,その他の理由として,内科・麻酔科で開業,pain clinicと在宅医療で開業,ペインクリニック開業,外科で開業,保険審査業務,管理職,などが挙げられていた.
(7) 身分(図2)
回答者の身分としては管理職が多かったが,これにはアンケートの設問で管理職に医長も含まれていたためと思われる.
(8) 業務している病院の設置主体(図3)
回答者の設置主体としては,公立病院,国立大学,医療法人の順に多かった.
(9) 現在の主たる業務内容(図4)
現在の主たる業務内容としては,麻酔業務を主としている割合が75%,ついで多かったのがペインクリニックで10%,ICU4%,管理部門3%であった.
3.労務状況に関する質問
(1) 現在の仕事に関する設問(図5~図9)
現在の仕事について,どのように感じているか質問した.やりがいのある仕事である,との回答が70%と非常に多かったが,体力が必要であり,また社会的な評価がまだまだ低いと感じている麻酔科医も多く見られた.以上,マンパワーに関する個人アンケート結果を提示した.詳細に関しては,今後麻酔科学会として評価を行い何らかの対応策を提言する予定である.さらに第三者機関による評価も行う予定である.