博物館一時休館のお知らせと
寄贈品のお願い
武田 純三
麻酔博物館が、現在の形として開館してから、今年で10周年を迎えます。
これに伴い、博物館のリニューアルを行うことになりました。
工期は2021年4月1日~6月30日を予定しており、この期間は博物館を一時休館とさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、新しい麻酔博物館にご期待ください。
尚、新設展示に伴う寄贈品についても引き続き募集しております。
詳細は
https://anesth.or.jp/users/common/museum/searching
よりご確認ください。
麻酔博物館 : The Japanese Museum of Anesthesiology
館長挨拶

手術を受けるときには、麻酔は必須の要件です。しかし、麻酔がなかった時代があるのです。
また、現在行われている脳や心臓、肺の手術ができるようになったのは、全身麻酔の進歩があったからです。
麻酔の進歩なしには、手術の発展はなかったと言えます。
日本麻酔科学会は1954年に設立されました。モートンがエーテル麻酔の公開実験を行ったのは1846年で、
日本ではそれよりも40年程早い1804年に華岡青洲による全身麻酔が行われましたが、
明治以降の日本の医学界において麻酔はほとんど顧みられてきませんでした。
このような状況を打破したのは、第二次世界大戦後の1950年に行われた日米連合医学教育者協議会でのDr. M. Sakladの講演でした。
その後、吸入麻酔薬や静脈麻酔薬などの麻酔薬、麻酔器や人工呼吸器などの機器、
心電図やパルスオキシメータなどのモニターの進歩に支えられて、麻酔科学は発展してきました。
また、他学会に先駆けて本邦初の専門医制度を作り上げてきました。
麻酔科医の仕事は、手術中痛みを感じさせないだけでなく、意識のない術中の患者さんに代わって、患者さんの命を守ることです。
また、麻酔科の守備範囲も集中治療・救急領域、ペインクリニック/緩和領域に、専門領域としての小児麻酔や心臓血管麻酔、
産科麻酔へと広がってきました。近年麻酔科医の医療安全に果たす役割の重要性が認識されるにつれて、
社会から一層の活躍が求められてきています。
日本麻酔科学会では、これら日本近代麻酔史に係る貴重な資材・資料の収集、展示を目的として、
2009年8月に日本医学会の中で初めての「麻酔資料館」を開設しました。さらに2011年5月には「麻酔博物館」として、
内容を充実・拡大いたしました。麻酔博物館の開設は広告塔的存在となったこと、
麻酔の歴史を目で見ることが出来るようになったことで、全ての会員に麻酔の歴史に対する認識が培われたように思います。
また、公益社団法人として一般市民にも公開をしており、国民への麻酔科学の啓発に寄与しております。
COVID-19の影響を受け、2021 年に開催予定であった第 10 回国際麻酔学史シンポジウム(ISHA)は1年延期となり、
神戸で行われる第 69 回日本麻酔科学会学術集会と同時開催されることになりました。
博物館の存在は、国際麻酔学史シンポジウムの誘致には必須の存在でありましたし、
2021年は麻酔博物館が開館して以来10年目を迎える記念すべき年でもありました。
また、国外の医師にも、日本の麻酔史を知ってもらう良いチャンスを得ることになりました。
世界の麻酔史研究の推進に一役を担うことが出来ることを期待すると同時に、
日本の国民の皆さんや多くの麻酔科医に麻酔史の意義を理解してもらい、興味を持ってもらうチャンスにしたいと考えております。
日本の麻酔の歴史を後世に伝え、国民の皆さんが麻酔に対する理解を深めるために、常に進化を続ける博物館作りに努めたいと思います。
館長 武田純三
設立の経緯・沿革
2007 年 5 月 29 日 | 理事会で麻酔博物館委員会の設置を決定 |
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2007 年 7 月 28 日 | 第1回麻酔博物館企画委員会開催 |
2009 年 8 月 7 日 | マスコミを対象とした内覧会を開催 |
2009 年 8 月 16 日 | 『麻酔資料館』開館 |
2011 年 5 月 19 日 | 『麻酔博物館』開館:展示スペースを1.5倍に拡充 |
公募により水谷 光先生の図案をロゴマークとして採用 |
館長
2012 年 5 月 | 釘宮豊城 |
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2016 年 5 月 | 武田純三 |
所蔵品
●機器・器具
●書籍・雑誌
●文書等資料
寄贈品を随時募集しております。
館内案内図
ご利用案内
開館日
平日(月~金)
開館時間
10 : 00 ~ 17 : 00
対象
公益社団法人日本麻酔科学会の会員を主としておりますが、
一般の方もご覧頂けます。
アクセス

寄贈のお願い
「麻酔に関連した」貴重な品々がありましたら、麻酔博物館への寄贈にご協力ください。
もし寄贈いただけない場合でも、コピーや写真をご提供ください。
寄贈対象品
a. 麻酔科学関連の資料、書籍・雑誌、器機・器具等で、寄贈可能なもの。
b. 麻酔科学関連で、ご自身がご執筆された書籍。
寄贈してくださる方へ
ご寄附のお願い
本博物館の開館、運用にご賛同いただき、ご支援いただける諸団体、諸会社、会員、個人の方がおありでしたら是非、
下記連絡先までご連絡ください。
日本の医学史研究にも貢献できるような博物館を目指し努力いたしますので、是非ともご協力の程、お願いいたします。
連絡先
公益社団法人 日本麻酔科学会
お問い合わせ
寄附金には税制上の優遇がございます
2011年4月1日に日本麻酔科学会は「公益社団法人」に移行し、寄附優遇の対象となる特定公益増進法人となりました。
個人の場合は、特定寄付金として一定金額まで寄付金控除が認められ、法人の場合は、
一般の寄付金の損金算入限度額とは別に、別枠の損金算入限度額が設けられています。
寄附金優遇措置の概要
優遇措置の詳細は、所得税については税務署へ、個人住民税についてはお住まいの市町村へお問い合わせください。
【個人の場合】
詳細は、こちらをご覧ください。
【法人の場合】
詳細はこちらの「法人が支出した寄贈金の損金算入」をご覧ください。
麻酔博物館関連リンク集
麻酔科学
印西市立印旛医科器械歴史資料館
青洲の里
華岡琉資料室(近畿大学医学部)
麻酔博物館(浜松医科大学)
The Wood Library-Museum of Anesthesiology
Anesthesia History Association
The NDA Online Anaesthesia Museum(University of Oxford)
The Brian Welsh Memorial Museum of Anaesthesia ※ Newcastle, UK.
Science Museum's History of Medicine website
Crawford W. Long museum
History of Anaesthesia Society
Horst-Stoeckel-Museum (fuer die Geschichte der Anaesthesiologie),Bonn,Germany.
The Geoffrey Kaye Museum(ANZCA)
The Association of Anaesthetists of Great Britain & Ireland, Heritage
Musée d'anesthésie-réanimation ※ Besanson, France.
Sheffield Museum of Anaesthesia ※ Sheffield, UK.
Arthur E. Guedel Memorial Anesthesia Center
麻酔科学以外
健康と医学の博物館(東京大学)
医の博物館(日本歯科大学新潟生命歯学部)
内藤記念くすり博物館 ※ 収蔵品デジタルアーカイブ内に『華岡塾癌着色図』
中富記念くすりの博物館
くすりの道修町資料館
日本医薬情報センター(JAPIC)附属図書館