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日本麻酔科学会第68回学術集会現地開催中止のお知らせ 2021年05月11日

日本麻酔科学会会員各位
公益社団法人日本麻酔科学会
理事長 小板橋 俊哉
学術委員長 川真田 樹人
第68回学術集会 会長
廣田 和美
日本麻酔科学会第68回学術集会現地開催中止のお知らせ

5月8日に速報でお知らせしましたように、日本麻酔科学会第68回学術集会の現地開催は中止することに決定しました。

日本麻酔科学会は、ハイブリッド開催としてWeb発表に加えて現地開催を計画していました。
学術集会は現場の空気感や対面での発表、ディスカッションが重要で、今年度は新しいセッションとしてMedically Challenging Cases(MCC)も予定されており、昨年度は実施できなかった現地開催実現に向けて関係各部署がギリギリまで協議、調整してまいりましたが、残念ながら大会長の意向を受けて常務理事会で上記の決定に至りました。
中止に至った経緯を以下に述べます。

4月上旬、大阪において新型コロナ感染症の第4波が急拡大していること、特に重症患者が急増していることが日本麻酔科学会COVID-19対策特別委員会に報告されました。そこで4月中旬までに「新型コロナウイルス急拡大による医療体制への影響」のアンケート(日本麻酔科学会会員専用ホームページ公表済み)を感染急拡大地域の病院の麻酔科医に対して行い、その時点での医療ひっ迫に関する情報を得ました。
4月23日に行われた理事会において、このアンケートで判明した感染拡大地域における医療ひっ迫の情報、及び現地開催の指名講演の演者や現地開催を申し込んだ会員の一部から現地へ出張ができないという連絡が来ていることが報告されました。
理事会では、一旦受け付けた現地開催の申し込みのキャンセルを可能にすること、また、今後政府から緊急事態宣言が発出されることが予想されるが、
第68回学術集会の会期に緊急事態宣言が発出されている際には現地開催は中止することを決定しました。
ゴールデンウィーク後も状況に改善が見られないことから、5月8日に現地開催の可否を議題として、学術委員会委員長、学術集会会長参加のもと臨時常務理事会を開催しました。
臨時常務理事会では現在最も感染拡大が起こっているのは関西地区であり、
大阪では最大確保病床を遙かに超える重症患者が発生して、多くの会員が重症コロナ患者の対応に追われており、
中にはICUに入室するすべての予定手術を中止して全ICU病床をコロナ患者専用にしている病院もあること、全国の多くの病院から大阪、神戸に医療従事者を派遣している状況であること、新規陽性患者の発生が減少しても、重症患者の減少までにはかなりの時間がかかり、6月に医療ひっ迫の状況が大きく改善しているとは考えにくいことが報告されました。
また、現地開催の参加者が急病や怪我で医療機関を受診する可能性も考えられますが、神戸を中心とした関西では十分な応急医療を受けられない懸念もあります。さらには、アルバイトを含む運営スタッフは未だワクチン接種を受けていない状況にもあります。
現時点での政府の緊急事態宣言の期間は5月31日までではありますが、このような状況の中で神戸における日本麻酔科学会学術集会の現地開催を行うことは、感染拡大地域における医療ひっ迫に加えて参加者の安全確保に不安が強いことから適当ではないと全員一致で判断し、中止の決定に至りました。
以上の事情を何卒ご理解いただきますようお願いいたします。