安全への取組み

アコマ医科工業株式会社  アコマ麻酔システムPROーNEXT+sで報告された事例

【2021年11月25日】
公益社団法人日本麻酔科学会
安全委員会

<製品名>
製品:アコマ麻酔システムPROーNEXT+s
使用年数:6年10か月(耐用年数10年)

<事象>
全身麻酔中に人工呼吸器が突然停止し、ベローズも動作せず回路内圧も上昇しないという事象が発生した。手動・自動・換気モードの変更を行うも改善しなかった。用手換気を行い、麻酔器を他の機材に入れ替え対応した。

<原因>
麻酔器製造元の調査によると、原因は麻酔用人工呼吸器の駆動ガス用の電磁弁の故障。1年6ヶ月前の定期点検時に正常な動作であったことが確認されている。
当該部材の製造元の調査から、駆動ガス用電磁弁の使用環境の温度変化や通電時間などの使用条件により、コイル部の温度が上昇し、その繰り返しによる温度差で結露が発生し、水分が毛細管現象で入り込み蓄積することで故障した可能性がある事が判った。
製造元が想定した環境下ならびに動作回数において本症状が発生する可能性は極めて低く、本個体と環境因子により特異に発生した故障と考えられる。

<対応>
各種点検を行っていても突然の機械故障がありうることを念頭に置き、安全な麻酔のためのモニター指針に則りモニタリングを実施する。 本事象では会員により適切に判断と対応が行われた。