麻酔を受けられる方へ

麻酔を受けられる方へ <12>

麻酔に関連する合併症

全身麻酔でも区域麻酔でも起こりえる合併症

《アレルギー》
麻酔や手術の消毒などで使用する薬が体に合わなくて、蕁麻疹があらわれたり、呼吸困難になったりすることがあります。

《肺塞栓(そくせん)症》
肺の血管に血栓(血のかたまり)などが詰まり、呼吸困難、胸痛、ときに心肺停止を引き起こす病気です。 「エコノミークラス症候群」と同じものです。一旦発症すると死亡する可能性が高い危険な病気です。 肺塞栓症が起こる主な原因は、下肢の血の流れがゆっくりになることによって、下肢の静脈に血栓ができること(深部静脈血栓症)です。 深部静脈血栓症は、長期間寝たきりの方、血液が固まりやすい病気の方、肥満、妊娠、経口避妊薬(ピル)の服用、 下肢の浮腫、心疾患、悪性腫瘍、脳卒中、喫煙者などでは危険性が高くなります。 また、腹腔鏡手術、下腹部手術、多発骨折、長時間の手術などで危険性が高くなります。 肺塞栓症を防止するため、弾性ストッキング着用、器械による下腿のマッサージなどを行います。