関節リウマチと全身麻酔
関節リウマチ
関節リウマチは、細菌やウイルスなど外部の敵から自分を守る免疫という体の仕組みの異常によっておこる病気と考えられています。
何らかの原因で免疫に異常がおき、誤って自分自身の関節の細胞を攻撃することによって、
全身の関節に炎症が生じて関節周囲の組織(靭帯、軟骨、骨など)の変形と破壊をきたします。
関節リウマチの治療
治療薬として、免疫の異常を改善する抗リウマチ薬や免疫抑制薬のほかに、炎症を抑える副腎皮質ステロイドや消炎鎮痛薬などを使用します。
お薬の効果が不十分な場合には、手術による外科的な治療を行います。
手術時の関節リウマチ治療薬の管理
関節リウマチの治療薬は全身にさまざまな影響を与えるため、手術を受ける際にはお薬の管理に注意が必要です。
免疫抑制薬は細菌やウイルスに対する正常な免疫機能も抑制するため、手術後の感染の確率を増加させる危険があり、
手術前には休止することが一般的です。副腎皮質ステロイドは免疫力を低下させるほかに、
生理的なステロイドホルモンの分泌を抑制することにより、手術中に異常低血圧などの症状があらわれる場合があるため、
手術前後の使用量を調節する必要があります。医師からの手術前の治療薬の休止や変更の指示を守ることで、安全に手術を行うことができます。
全身麻酔の手術前診察の特殊な点
全身麻酔では、空気の通り道となる気道を確保(気管挿管)して人工呼吸を行います。
気管挿管の際には、首を反らした状態で器具を使って口を大きく開けて、のどの奥にチューブを入れます。
関節リウマチ患者さんは全身の関節が炎症により変形しているために、首を動かしたり口を開いたりすることが難しい場合があり、
気道の確保が通常より困難となります。気道の確保ができないと、呼吸ができずに低酸素になる危険がありますので、
気道確保をどのような手順や方法で行うかについて、麻酔科医は手術前に十分な計画を立てる必要があります。
また、関節リウマチの影響として、心臓、肺、腎臓など関節以外の臓器の機能に異常がおきたり、 貧血や発熱などの症状があらわれることがあるため、全身麻酔を受ける前には十分な全身状態の評価を行う必要があります。
また、関節リウマチの影響として、心臓、肺、腎臓など関節以外の臓器の機能に異常がおきたり、 貧血や発熱などの症状があらわれることがあるため、全身麻酔を受ける前には十分な全身状態の評価を行う必要があります。