よくある術前合併症

喫煙と全身麻酔

喫煙が全身麻酔のリスクを上げる

喫煙習慣のある患者さんでは、全身麻酔・手術にともなう合併症や死亡の危険性が高くなることが知られています。
たばこの煙に含まれるさまざまな成分が、気道(息の通り道)や肺の正常機能を弱めます。
それにより喀痰が異常に増えたり、のどや気道が腫れたり、喘息や肺炎などの息がしにくい状態になりやすくなります。
他にも手術後にキズが感染したり、治りが遅くなったり、心臓や血管の合併症がおきやすくなります。

手術前は禁煙をおすすめします

手術前の禁煙により、手術前の危険性が減ることがわかっています。
手術前の禁煙期間は長ければ長いほど良く、これまでの研究では 4週間以上前からの禁煙が推奨されていますが、短期間でもある程度の効果があることがわかっています。 そのため喫煙習慣のある患者さんには、麻酔科医や主治医から手術前の禁煙を指導しています。 緊急性のある手術や禁煙が守れない場合には、喫煙によるリスクをご理解いただかなくてはいけません。電子タバコの場合も同様です。
手術前の禁煙について質問がありましたら、麻酔科医にご相談ください。
手術後に禁煙を続けることは、健康にもよく、生命予後も改善します。 禁煙をしたいけど続かない場合は、禁煙補助薬による治療やカウンセリングなどの禁煙支援(外来)を行っている病院で治療を受けることもおすすめします。

喫煙は周りの人にも影響

喫煙によって生じた煙に含まれる有害物質を吸い込むことを受動喫煙といいます。 家庭や職場で周囲に喫煙者がいて、たばこの煙を日常的に吸い込んでいる場合は、喫煙者と同じくらいのリスクがあるため注意が必要です。