よくある術前合併症

間質性肺炎と全身麻酔

間質性肺炎

肺は肺胞という小さい袋がたくさん集まってできているスポンジ状の組織です。その袋と袋の間の組織を間質といいます。間質性肺炎とは間質に炎症がおきる病気です。
間質性肺炎になると、肺胞の壁が固くなり、肺がうまく膨らまなくなったり縮まなくなったりします。 また、酸素や二酸化炭素が通過しにくくなり、それによって息苦しさを感じたりします。主な症状としては、息切れ、空咳、発熱などです。

間質性肺炎の全身麻酔でのリスク

間質性肺炎の患者さんでは、全身麻酔や手術によって炎症が急激に悪化することがあります。これを急性増悪といいます。 急性増悪が生じる割合などは、まだよく分かっていません。急性増悪が生じるリスクが高いかどうかは、手術前のCT検査や呼吸機能検査の結果、 手術前のステロイド治療の有無などから予測はできますが、必ずしもあてはまるものではありません。 ただ、全身麻酔による人工呼吸や手術の侵襲が急性増悪のきっかけとなることは知られていますので、 手術の種類によっては下半身麻酔などの局所麻酔を選択することがあります。
間質性肺炎の患者さんでは、風邪などの軽度な気道感染でも急性増悪が生じることがあるため、症状によっては手術を延期することもあります。 間質性肺炎と診断されたことがある方は、手術前に麻酔科医にご相談ください