よくある術前合併症

手術前の発熱

手術前に発熱したとき

予定された手術前の発熱は、さまざまな病気の初期症状として知られています。 発熱をきっかけに詳しく調べると思わぬ病気が見つかり、手術前にその治療が必要なこともあります。 新型コロナウィルスに感染している場合もあるかもしれません。 手術はご自身の一番体調のよい状態で受けていただくことが大切です。 手術前の体調に変化を感じたときは、是非麻酔科医にご相談ください。

たかが風邪・・・特にお子さんは注意!!!

発熱の多くの原因は、上気道感染症(いわゆる風邪)です。 せっかく予定を調整したのに、たかが風邪で手術が中止になってしまうなんて・・・そのような気持ちになるのも無理はありません。 しかし、全身麻酔と風邪はとても相性が悪いことが知られています。 風邪をひくと空気の通り道である気道が細くなります(風邪のときに、喘息が出たという経験をお持ちの方もいると思います)。 全身麻酔では、人工呼吸の管を気道に入れる必要があり、その刺激で気道が更に細くなることがあります(麻酔中の喘息発作)。 緊急の治療で事なきを得る場合も多いですが、重症例では人工呼吸ができなくなり命に関わる可能性もあります。 また全身麻酔中にトラブルがない場合でも、手術後に肺炎をおこし重症化しやすいことが知られていますので油断はできません。

小さいお子さんの中には風邪を繰り返しひいてしまい、元気なときを見つける方が難しい・・そのように考えるご両親も少なくないと思います。 しかし気道が細いお子さんは全身麻酔で喘息発作をおこしやすいため、細心の注意が必要です。

全身麻酔への風邪の悪い影響は1ヵ月程度続きますので、麻酔科医から手術の延期をご提案させていただくことがあります。 安全な手術のためにご協力ください。

発熱していても手術が必要な場合

発熱の原因が手術で改善する見込みの場合は、そのまま手術を受けていただくことがあります。 発熱がある中での手術は、血圧低下などの全身麻酔の副作用が強く出る可能性があります。