よくある術前合併症

高血圧と麻酔

生活習慣病のひとつである高血圧の背景には、動脈硬化があることが多いです。 血管が固くなると血圧を調節する機能が落ちてしまい、脳卒中や心筋梗塞などのさまざまな病気の原因になります。
高血圧は全身麻酔とも深い関わりがあります。
ほとんど全ての麻酔薬には血管を広げて血圧を下げる作用がありますが、未治療の高血圧をお持ちの方はその下がり方が健常な方と比べて大きいことがあります。 血圧が下がった状態が長く続くと全身に必要な血液がうまく巡らず、心臓や脳、腎臓などの大切な臓器が障害されるおそれがあります。 また手術が終わった後は、手術中とは逆に血圧が高くなり、手術が終わったばかりのキズからの出血や、脳卒中、心不全などにつながるおそれがあります。

手術前の血圧管理が大事です

手術前は日頃の血圧の管理を見直すよい機会ですので、ご自宅で決まった時間に血圧を測ることをおすすめします。 必要に応じて主治医にご相談の上、お薬の調整などを行っていただき、安定した血圧の維持を目指しましょう。 そうすることで、麻酔中や手術後の血圧の急激な変動を避けることができます。 またご家庭で測られた血圧の値は麻酔中や手術後の血圧管理の指標になりますので、手術前に主治医に是非お伝えください。

血圧のお薬について

麻酔を受けられる時は、お薬の種類や血圧によっては、手術当日に飲まない方がいいお薬や、飲んだ方がいいお薬もありますので、 手術を受けられる前に麻酔科医に自分の使っているお薬の種類や量をお伝えください。